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この前まで短編連載していた片恋シリーズのブルース編。
数日間拍手でUPしていたもの。

見たいと言って下さった方がいたのでvv

部屋の窓ガラスが急に開いたかと思えばそこにいたのはメタルにはすでに見慣れ始めているロボットが一体


「よぉ」
「ブルース・・・また来たのか」

呆れる口調で呟いてメタルは動かしていた手を止めはしなかった


無表情のその顔に
~笑顔を望んだ~



「つれないな」
「俺はお前と違って忙しいんだ」
「新しい戦闘用でも作るのか」

資料を奪い取ってメタルの視線をこっちへと向けさせる

「・・・邪魔をするなら手加減はしないぞ」
「邪魔をしたいんじゃない。ただ無理をしている姿を見ていると心配になる」

メタルの頬に手を添えるがきっと相手はそれがどういった気持ちでしているのかさえ知らないのだろう

「無理?起動時間は超過していないぞ?」
「そー言うつもりで言っているんじゃない・・・まだ起動して数カ月。覚える速度が速過ぎると壊れるのも早いぞ」

どんなものにも限度と言うものがある、今のメタルを見ていると本人は気付いていないのだろうがブルースからはとっくに限度を超えているように見えた

「・・・どうしてそれでお前が心配するんだ?」
「理由はいるか?」
「理由がないのに心配になるのか・・・?」

よく分からないと呟いて考え込むメタルは奪われた資料について少しの間忘れているようだ

一生懸命考える姿に目を奪われて頬が緩む

その姿さえ美しいと思ってしまうのは盲目ゆえの思想なのだろう



「なら教えてやろうか?」
「理由がないんじゃなかったのか・・・?」
「理由がいるかと答えただけで理由がないとは一言も言っていない」
「・・・」

ただの言葉の遊び、相手の思想を一歩踏み込んで読みとれるほどの能力も鋭さもまだ目の前のロボットにはない事位分かっていた

だからこそ遠まわしに言って考えさせる


もっとメタルが自分に近づけるように


「それで、理由は何なんだ?」
「俺がお前が好きだからだ」
「すき?」
「好意のある相手には無理をして欲しくないと思うのが普通だ」
「こうい・・・」

良い表情をしないメタルを覗き込むように見つめれば

「メタル?」
「お前の言っている事は理解に苦しむ」

困惑と言う表情が一番適していそうな顔をしてブルースは見上げられた

「良いんだ、今はまだ分からなくても・・・いずれ俺が教えてやる」


心底楽しそうに笑うブルースの意図をその時のメタルは知る訳もなく首をかしげるだけで


それからメタルが本当の意味で心を得るのはまだもう少し先の未来になるのであった――――

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